不動産売買におけるよくあるトラブルと対処法をわかりやすく解説
不動産の売買は、一般的に高額な取引です。
その分、トラブルが発生した場合の影響も大きく、精神的・経済的な負担につながるケースもあります。
今回は、不動産売買で起こりやすいトラブルとその対処法をわかりやすく解説します。
契約内容に関するトラブル
契約内容に関するトラブルは、以下の通りです。
- 重要事項の説明不足
- 契約書の記載ミス・不備
- 仲介手数料の請求トラブル
それぞれ確認していきましょう。
重要事項の説明不足
宅地建物取引士からの説明が不十分だった場合、契約後に「聞いていなかった」「内容と違う」などのトラブルが生じるケースがあります。
たとえば、再建築不可の土地であることを知らずに購入した場合、更地にした後は家を新築できません。
対処法は、契約前に渡される「重要事項説明書」を読み、不明点は必ず質問することです。
契約書の記載ミス・不備
売買契約書で、日付や面積、引き渡し条件などの記載にミスがあると、後々のトラブルに発展するケースがあります。
対処法は、契約書の内容を細かい部分までチェックすることです。
不安な場合は、事前に弁護士などの専門家に見てもらうのがおすすめです。
仲介手数料の請求トラブル
「契約が成立していない段階で仲介手数料を請求される」「手数料の額に納得できない」などのケースもあります。
仲介手数料は「成功報酬」であることを理解し、事前に書面で金額を確認するのが重要です。
物件の状態に関するトラブル
次に、物件の状態に関するトラブルを2つ解説します。
契約後の雨漏りやシロアリなどの瑕疵
中古物件では、引き渡し後に雨漏りやシロアリ被害、配管の破損などが見つかるケースがあります。
こうした「瑕疵」は、売主が責任を問われることもあります。
対処法は、契約書に「契約不適合責任」の期間・内容を明記すること、購入前にホームインスペクション(住宅診断)を依頼することです。
土地・建物の状況の変化
引き渡し時までに、土地・建物の状況に変化が生じる場合もあります。
しかし「現状有姿」の条項が盛り込まれていた場合、そのままの状態での引き渡しになります。
たとえば引き渡しまでに壁紙が剝がれてしまっても、売主は修繕の義務を負いません。
対処法は、設備の状態や、売主から交付される付帯設備表をよく確認することです。
最初の段階で、現状有姿条項が盛り込まれているかどうかをチェックするのもよいでしょう。
引き渡しに関するトラブル
最後に、引き渡し時に起こりやすいトラブルを2つ解説します。
引き渡し日の遅れ
売主が引っ越し準備を進めていないなどの理由で、引き渡しが遅れることがあります。
買主側で新居への引っ越しやローン手続きが進んでいると、大きな問題になります。
対処法は、契約書で引き渡し日をあらかじめ取り決めておくことです。
延滞時の対応についても明確化すると、トラブルに発展しにくくなります。
登記の手続きミス
名義変更登記がスムーズに進まないと、購入したはずの物件の所有権が自分のものにならないケースがあります。
対処法は、信頼できる司法書士に依頼し、事前に登記書類を確認することです。
まとめ
不動産売買では、契約内容や物件状態、引き渡しなどさまざまな場面でトラブルが起こります。
多くは、事前の確認不足や、知識不足が原因です。
少しでも不安な点があれば、不動産会社や、弁護士などの専門家に相談するのが大切です。
